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予算委員会第一分科会にて、こども家庭庁に対して質問しました。

2月27日、予算委員会第一分科会(内閣府・デジタル庁・こども家庭庁など所管)において、こども家庭庁に関する質問に立ちました。質問項目は以下のとおりです。

1.結婚意思や希望こども数の低下への対応 2.支援金の基本的考え方

3.電子母子手帳の導入に際しての考え方

4.こども誰でも通園制度の受入体制確保 5.死産・流産の際のグリーフケア

6.日本版DBSと初犯対策

 質疑の概要を勝目事務所においてまとめました。長文につき恐縮ですが掲載いたします。 なお、正確なやりとりについては、議事録をご覧下さい。


【勝目】

 昨年12月に「こども未来戦略」が閣議決定された。現在審議中の予算は、戦略実行の初年度の予算ということになる。その実施根拠となる子ども・子育て支援法等の一部改正法案も今国会で審議予定ということであり、まさにこの国会は、「こどもまんなか実行国会」。

 今回のこども未来戦略は、国や地方の施策、事業の羅列にとどまることなく、その前提条件ともいうべき経済、社会の在り方についても正面から捉えて、例えば、若い世代の所得の向上や社会全体の構造、意識の変革を基本理念の柱に据えている。

 このことは非常に重要。国や地方による給付額が多くても、前提としての経済政策がうまくいかずに、若い世代が暮らしの経済的基盤を確保できなければ、家庭を持ち、子供を産み育てるという希望を持つこと自体が難しくなる。

 バブル経済崩壊後、経済的苦境にあったいわゆる失われた30年の間、企業が、3つの過剰と言われた、雇用、設備、債務、これを圧縮するためのコストカットを進めてきた。この結果、雇用は不安定化し、給料は上がらず、設備の老朽化で生産性も上がらないという時代がずっと続いてきた。リーマン・ショックという大不況期もあった。

 この30年という期間は、団塊ジュニア世代が、私もその一人であるが、社会に出てからの30年とぴったり一致する。団塊ジュニア世代が次の人口のボリュームゾーンをつくることができなかったのはこのことと無縁ではないと考える。団塊ジュニアも、その大宗はもう50代になり、次の世代と言うにはちょっと難しい年代に入っている。

 しかし、諦めてしまっては日本の未来はない。2000年代に入ると出生数のペースが急減しており、出産年齢のことを考えると、2030年代に入るまでのこれからが極めて重要な時期になる。

 コストカット経済を脱して、物価高に負けない賃上げ、大企業も中小企業も、公定価格分野も公共調達の分野も、そのいかんを問わず、必ず賃上げを実現する、これが令和六年度予算に込められた共通するメッセージであり、こうした経済環境を前例のない、次元の異なる子育て支援につなげていきたい。

 具体の施策を担うこども家庭庁の皆さんはまさに日本の未来を背負っておられる。是非御尽力をお願いしたい。



1.結婚意思や希望こども数の低下への対応

【勝目】

 先ほど、暮らしの経済的な基盤なしには、家庭についても子供についても希望を抱くこと自体が難しいと申し上げた。少子化の要因の一つに未婚化、晩婚化があると言われて久しいが、足下では、そもそも結婚に対する希望の縮みのような現象が起きている。

 2021年の国立社会保障・人口問題研究所の「結婚と出産に関する全国調査」によると、男女とも、未婚者の生涯の結婚意思が急減。男で前回85.7から今回81.4、女性は89.3から84.3。結婚したいけれどもできない、ということではなく、そもそも結婚する意思が失われてきている方が増えている。

 では、結婚すれば子供を産みたいと思うかというと、この前提も崩れ始めており、未婚者の平均希望こども数は、男が前回1.91から1.82に、女性が2.02から何と今回は1.79である。結婚している御夫婦の平均理想子供数も2.32から2.25と低下し、これは長期トレンドでもある。

 この間、希望出生率1.8の実現といったことを目標に掲げてきた。つまり、希望と現実のギャップを埋めようというのが少子化対策の一つの方針であったが、今や、希望そのものを再生しないといけない状況になっているのが現実。

 こうした結婚意思あるいは希望子供数の低下を受けて、こども家庭庁としてどのように対応していくのか。

 特に、加藤大臣は、先日、私の地元京都にお越しになって、婚活応援センターを御視察をされて、婚活マスターの方とか、あるいは御成約をされた当事者の方と意見交換をされている。このことも踏まえて、取組を伺いたい。


【こども家庭庁官房長】

 委員御指摘の未婚化、晩婚化に関し、若い世代の結婚をめぐる状況を見ると、男女共に依然8割以上の未婚者が、いずれ結婚するということを希望しながらも、適当な相手に巡り合わない、結婚資金が足らない、若しくはまだ必要性を感じないなどを理由として、結婚に至っていない状況にあると承知。

 このため、若い世代の結婚の希望と現実の乖離をできる限り小さくするような環境の整備が必要となっているところであり、まずは、政府全体で、所得の向上や雇用の安定など、若い世代の経済的基盤の安定を図るための取組を進めるとともに、こども家庭庁においても、出会いの機会、場の提供、結婚資金や住居に関する支援など、地方自治体が行う取組を地域少子化対策重点推進交付金により支援をしているところ。

 先日、1月13日に、加藤大臣が京都府の結婚支援センターを視察させていただき、センターを通じて結婚をした成婚者の方々等と意見交換をさせていただいたが、京都府では、ボランティア(婚活マスター)によるきめ細やかな伴走型の結婚支援が行われており、成婚者からも、安心感があるといった御意見を伺った。

 こども家庭庁においては、このような伴走型の結婚支援についても、地域少子化対策重点推進交付金で積極的に支援していく。

 また、希望子供数の低下につきましては、その背景として、子育ての経済的、精神的負担感や、子育てと両立しにくい職場環境等があると考えられる。

 こうした課題を踏まえ、政府としては、未来戦略の加速化プランに記載した、ライフステージを通じた子育てに係る経済的支援の強化や若い世代の所得向上に向けた取組、全てのこども子育て世帯を対象とする支援の拡充、さらには、共働き、共育ての推進等の各施策に全力で取り組む。

 こども家庭庁として、若い世代が希望どおり結婚し、安心して子供を産み育てることができる社会を目指し、スピード感を持って取り組んでいく。


【勝目】

 今ほども冒頭に、所得の向上など経済的な基盤について言及があった。まさに、希望と実態、現実のギャップを埋めるために、今回、未来戦略に定められた各施策を着実に実行していただくとともに、まず、希望の水準も上げていかないといけない。これはやはり経済環境によるところも大きく、また、実際、こういう施策が展開されていくことで、子育てに対する様々な経済的、精神的負担が軽減されているという実感を持っていかれれば、希望の再生にもつながっていくと思う。

 政府全体を挙げて取り組むべき課題であり、こども家庭庁が中心になって取組を進めていただきたい。



2.支援金の基本的考え方

【勝目】

 前例にない規模で少子化対策、こども子育て支援を実行するためには、当然、財源の議論がセットでないと無責任な議論になってしまう。これらの支出は、毎年発生する経常経費であり、その全てを永続的に国債に頼るという性質のものではないと考えている。

 他方で、今、足下の経済情勢、国民生活の実態に照らせば、給付が増える以上、負担増も当然だなどという意識も持つべきではない。冒頭述べたとおり、現役世代の暮らしの基盤が成り立たなければ、少子化は止まらないからである。国民生活に寄り添いつつ、恒久的な財源をどういう形で確保するか、ぎりぎりまで考え抜かないといけない。今回の支援金も、そういう発想、考え方の下で設計されたのだと理解している。

 負担増についての議論は、負担増があるかないか、それが幾らかというだけではなくて、では、そのことに伴う給付増が幾らあって、その財源は全体としてどのように手当てをされていて、支援金はそのうちどれくらいの割合を占めていて、かつ、経済全体の動きの中でその実質的に意味するところは何なのかということをパッケージで議論しないといけないと考えている。

 名目での負担増についても、実質的負担というものを考慮せずに評価するというのは、まさにこれこそデフレマインドの表れじゃないかとも考えられる。

 脱デフレ経済への移行、つまりは、物価高に負けない賃上げを持続的に果たすことで実質的負担を抑制していくということは何らおかしいことではないと思うし、現下の環境に鑑みれば、完全な絵空事というものでもないと思う。ただ、もちろん、何もしなくても実現できるものでもないので、ここは並大抵ではない政策努力が必要だということは先ほどの質問でも申し上げたとおりである。

 こうした点も踏まえて、今回の支援金に対する考え方、改めて全体像をお示しいただきたい。


【こども家庭庁支援金制度等準備室長】

 こども未来戦略において、少子化というものは国内最大の危機と捉え、全てのこども子育て世帯を対象とする切れ目のない様々な支援拡充を果たすということで、今般、3.6兆円に及ぶ加速化プランというものを決めた。

 その中でも検討している支援金制度は、児童手当の高校生年代への延長などの抜本的拡充、妊娠・出産時の10万円の給付や、こども誰でも通園制度といったものの制度化、さらには、共働き・共育てを推進するための各種の施策、例えば、手取り10割や時短就業給付等の創設、自営業・フリーランスの方等の育児中の国民年金保険料免除に充当する。これらの施策拡充は全て、いわば恒久的な改革。

 この3.6兆円のうち2.6兆円は歳出改革と既定予算の最大限の活用ということで確保する。これらが合わせておよそ七割強。残る1兆円について支援金制度を構築する。

 この支援金制度の導入に当たっては、歳出改革を基本としつつ、賃上げと併せて保険料負担の軽減効果を生じさせ、その範囲内で導入することとしている。賃上げによって雇用者報酬が伸びれば、社会保障負担率の一層の軽減につながり、支援金の導入によって社会保障負担率が上昇しないということがより確実になるので、政府として、徹底した歳出改革に取り組むことと併せ、総力を挙げて賃上げに取り組んでいく。

 まさに少子化対策と経済対策を車の両輪として、その調和を図るということが私どもの方針である。


【勝目】

 まさに今、支援金の議論は、元々、機械的に一人当たり500円と言ったのが、具体的なことに照らしてみれば1,000円を超えるケースもあるんじゃないかなど非常に分かりにくい議論で、しかも、500円か1,000円かどうなんだ、といったところに議論が集中してしまっている。これがかえって全体像を見えにくくして、国民の皆様への理解を阻害している面があるのではないか。常に全体像というものをお示しいただきながら、国民の皆様に分かりやすい説明、広報をお願いしたい。

 これからまだ法案審議も含めてこの議論は続いていくと思うが、そういう問題意識を常にお持ちをいただきたい。まさに少子化対策と経済政策というのは車の両輪、これが常について回るということで、よろしくお願いしたい。



3.電子母子手帳の導入に際しての考え方

【勝目】

 電子母子手帳の関係でお伺いしたい。

 未来戦略においては、子育て世帯の利便性向上のためのこども政策DXについても盛り込まれている。中でも母子手帳については、各自治体が主導する形で普及が進んでいる。ただし、電子母子手帳と一応便宜上言っているが、厳密に言うと母子保健法上の母子健康手帳に当たるものではないという整理が今のところされているため、この名称自体留意が必要。

 これは各自治体の努力を多とするものではあるが、他方で、全体像の設計、あえて言えばフィロソフィーがない状態で現場実装が進んでしまっており、別の問題もはらんでいるんじゃないかという問題意識を持っている。それは何かというと、いわゆるベンダーロックインに陥ってはいないかということ。今、自治体の業務については標準化というものを進めているわけであるが、母子保健の分野においても、その一環として取り組むべき。

 例えば、転居先の自治体が別のベンダーの母子保健アプリを使っている場合や、ずっと同じ自治体に住み続けているんだけれども、その自治体がアプリ事業者を切り替えたといったときにデータの移行ができないということが、実はもう既に起こっている。データポータビリティーのない母子健康手帳というのは母子健康手帳の機能を果たさないと私は考えるところであり、これはやはり、国において早急に対処すべきと考えている。

 母子保健法が、法律の文言が母子健康手帳の電子的な交付を排除しているわけではないという解釈に立たれていると思うが、逆に言えば、電子化されていれば何でもいいというわけでも矢張りないのではないか。データポータビリティーのない電子母子手帳というのは駄目なんだというところまで持っていかないといけないのではないか、そう考えている。

 現在、デジタル庁の方で開発をされたPMHによる情報連携が進められているものと承知しているが、こうした動きも含めて、どのようにこの問題を進めていかれるのか、お考えをお聞かせいただきたい。


【こども家庭庁成育局長】

 母子保健法に基づき市町村が交付をする母子健康手帳であるが、現状、紙の手帳の交付と記載を前提として運用が行われている。

 一方で、先ほど御指摘いただいたように、全国の自治体で母子保健アプリ等の電子母子保健ツールが導入されており、およそ半数以上の自治体で導入されていると承知をしているが、こういったことは、子育て世帯の利便性の向上につながるものとして、ニーズが高いものと考えている。

 こうした現状を踏まえ、昨年11月、こども家庭審議会においては、母子健康手帳の電子的な交付に当たって混乱が生じないように、より利便性の高いものになるように、今後、電子化された母子健康手帳が最低限持つべき機能や、母と子の情報連携、母親以外の保護者の情報の共有・管理の在り方、電子化された場合に紙の母子健康手帳からの移行をどうしていくか、こういった課題と対応を整理していくべきとの指摘をいただいた。

 また、加えて、昨年12月のデジタル行財政改革中間とりまとめにおいて、住民・医療機関・自治体の間で母子保健情報を迅速に共有・活用するための、ただいままさに御指摘いただいた情報連携基盤の整備と併せ、電子版母子健康手帳を活用してスマートフォンなどで健診の受診や結果の確認を可能とするなどにより、母子保健DXを推進するという方針が示されている。

 こういったことから、こども家庭庁では、来年度、実施事業を行うこととしている。母子保健情報連携基盤の拡充とともに、電子版の母子健康手帳に係る課題、対応を整理して、2025年度にはガイドラインを発出をして、電子版の母子保健手帳の普及につなげていきたいと考えている。

 こういったことから、電子版の母子健康手帳を始めとした母子保健DXの検討を適切に進めていく。


【勝目】

 2025年にはガイドラインを整備するとのこと。今、省令で紙を前提にした規定があると思うので、このような法律ではないが法令上の対応も含めて、本当に急がないといけない。特に人口の多い自治体で、先んじて電子的な母子保健ツールが広まっているので、標準形の方に持っていこうとすると、移行でまた大変な思いをするということが、今、自治体業務の標準化でも起こっているので、スケジュールにしっかり則って、遅れることのないように進めていただきたい。



4.こども誰でも通園制度の受入体制確保

【勝目】

 冒頭経済的苦境で少子化が進んだのではないかとの話を申し上げたが、この間、社会そのものも変質をしている。昔は、大家族で育ってきた、あるいは、向こう三軒両隣という言葉もあるが、地域コミュニティーも非常にしっかりしていて、そこに支えられながらみんなで子育てをしていたが、現在は、核家族化が進み、そしてまたコミュニティーの力も非常に弱まっている状況。

 こういう中で、例えば祖父母の支援が得られない場合、もちろん、男の育児参加は当然の前提でありますけれども、公的サポートがなければ、孤独の中での子育てになってしまう。就労要件を問わずに柔軟に利用できる通園給付である「こども誰でも通園制度」の創設は、孤立育児に対する一つの対処であると思う。そして、この仕組みが機能するかどうかは、ひとえに、受入側の園がしっかり体制を確保できるかどうかにかかっている。

 この「こども誰でも通園制度」というのは、当然、こどもを見る保育士が必要。時間単位で柔軟に利用できるというのは非常に便利な仕組みであるが、裏を返せば、そういうニーズに対応するために、通年で保育士を確保しておかなければならないということにもなりかねない。

 そのときに、これから報酬の仕組みなどを考えていかれると思うが、これが利用時間ベースになり、そして、単価も実際の価格を基準に定められてしまうと、結局、各園は、その保育士さんを確保するために自腹で負担をして雇用しないといけないことになってしまう。ここに、今、幼稚園、保育園問わず、非常に現場の不安が広がっている状況にある。

 来年度、試行的事業を実施されるが、こういうときに、体制上余裕がある園が実施するケースだけではなくて、追加的に人員配置が必要な園も含めて、より実態に即した形でこの事業を実施し、制度化に当たって参照していただきたいが、いかがか。


【こども家庭庁成育局長】

 委員から御紹介いただいたように、今般、自治体の規模に応じた補助基準額の上限をお示しした上で、試行的な事業をまず実施する。

 この度閣議決定した子ども・子育て支援法の改正法では、令和8年度に給付化ということを予定をしているが、まずは、本格的実施を見据えた形でのこの試行的事業をしっかり進めていくことが必要と考えている。

 この実施に当たっては、様々な社会資源を使わせていただくということで、保育園だけではなく幼稚園や拠点の活用、そして、利用の仕方も定期利用や自由利用、そういった様々な事業の実施の多様化の中で円滑に試行的事業を進めていきたい。

 いずれの方法であっても、事業実施者が運営を継続できるような制度としていく必要があると考えている。

 このため、試行的事業をしっかり実施をしながら、令和8年度からの給付化に当たって、具体的な単価、実施内容について、この内容について、利用方法を問わず、こども誰でも通園制度を実施する事業者がしっかりと運営できるものになるように、更に具体的に検討を進めていきたい。


【勝目】

 現場の不安にしっかり応えていただいて、そのことが、本当に必要な方が利用できる、その体制が構築できるということに繋がるので、よろしくお願いをしたい。



5.死産・流産の際のグリーフケア

【勝目】

 国を挙げて子育てしやすい社会をつくろうという機運の中で、そうはいっても、妊娠して子育ての夢を描きながらも、残念ながら、全ての方が出産に至るわけではない。こういうときのケアの体制もしっかり整えてこそ、今回の少子化対策というのが決して産めよ増やせよではないんだということになるのだと考える。

 各自治体では、様々な相談窓口などを設置はしていただいているとは思うが、当事者の心理としては、とてもではないが、自らその窓口を調べて、電話番号を調べて、そこに電話をかけてという状況ではなかろうというのは、これは容易に想像がつく。

 だから、もう一歩踏み込んで、プッシュ型で、自治体の方から、医療機関の協力を得て、そういう自然な形で窓口、ケアにつながる仕組み、制度化を図るべきではないか。


【こども家庭庁成育局長】

 御指摘いただいた、流産、死産等のこどもとの死別を経験された方、特に悲しみが強く、その悲しみに寄り添った対応が重要。

 今国会に提出した子ども・子育て支援法等の一部を改正する法律案において、出産・子育て応援交付金における伴走型相談支援を児童福祉法の新たな相談支援事業として位置づけて、市町村への実施の努力義務を設ける。

 事業の実施に当たっては、現在の相談支援と同様であるが、流産、死産を経験された方に相談支援窓口を案内することや、同じような経験をされた当事者団体によるピアサポート活動を案内するなど、きめ細やかな配慮を行っていただきたい。

 このような、流産、死産を経験された方への寄り添った取組、支援を広げていくために、現在、今年度は、実施状況の把握の調査研究を実施している。

 流産、死産された方への何らかの支援を行っている自治体は、まだ全体の2割である。その中の8割ぐらいの自治体では、具体的な案内、周知を行っている。あるいは、3割ぐらいの自治体ではピアサポートの紹介を行っている。こうした取組をしている自治体もあることも事実であるので、そういった実施状況を踏まえながら、制度化を進めるに当たって、具体的な相談支援の方法や、むしろ情報を発信していく、そういった方向について、具体的に検討を進めていきたいと考えている。


【勝目】

 今回の法改正の中で、伴走支援、補正予算で事業としては始まっているが、法律上の根拠ができる。その内容をしっかり充実していただきたい。



6.日本版DBSと初犯対策

【勝目】

 日本版DBSは、性犯罪歴のある人をこどもに接する仕事に就かせないようにということで、事業者の方から照会をする仕組みを導入するものだということで理解している。現在、法案の方は最終調整中と承知。内容については、また法案審議でしっかり質疑していきたいと思うが、このDBSというのは、あくまで再犯から子供たちを守る仕組みである。被害当事者の方のお話を聞く機会があったが、担任の先生の家に泊まりに行って、そこで被害に遭った、学校側も保護者サイドについても何らアクションがない状態で、そういうところに行って、被害に遭ったということだった。

 仮にこの教諭が初犯だった場合、DBSでは防げない。やはり、関係者が一致をして子供たちを守る、そういう体制、仕組みを整えることが大事だと感じたところである。

 DBS法案に全てを委ねるということではなくて、初犯対策をしっかり講じる必要があると考えるが、お考えをお聞かせいただきたい。


【こども家庭庁成育局長】

 委員御指摘のとおり、性犯罪の犯歴照会の仕組みだけでは、こどもの性被害を防げるということではない。こどもの性被害対策につきましては総合的な取組が重要。

 このため、政府としては、昨年7月にこども・若者の性被害防止のための緊急対策パッケージをまとめた。その中では、性犯罪の成立要件をより明確化するなどの改正刑法の趣旨、内容の周知、厳正な取締りの強化に加え、子供たちが性暴力の加害者、被害者、傍観者にならないための生命の安全教育の全国展開、また、子育て支援の場を通じた保護者への啓発の推進など、様々な取組について着実に実施をしてきた。

 また、緊急対策パッケージの更なる加速化を図るという観点から、業界横断的な標準的な指針の作成、広報を通じた教育、保育業界による性被害防止の取組の促進や、児童福祉施設等における性犯罪防止対策の設備の財政支援、こういったものも新たに実施する。

 引き続き、子供の関連業務従事者の性犯罪歴の確認の仕組みの検討のみならず、こういった総合的な取組についてもしっかりと推進していく。


【勝目】

 子供の安心・安全を守りながら、少子化への対応、そして、子育て家庭をしっかり寄り添いながら支援をしていく仕組み・社会の構築、是非、政府を挙げて、国を挙げて取り組んでいきたい。

■衆議院インターネット中継

(上記リンク内「発言者一覧」 勝目康 13時00分~ をクリックすると動画をご覧いただけます)


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